こんにちは

昨年、日本で2回目となる商標登録を無事に済ませた
私のブランド「Bibury Court」

そして今年、英国での20年目の商標登録も完了しました。
オンラインでの手続きは思いのほか簡単で、
わずか10分ほど。
時代の進化を実感せずにはいられません。
これで今後10年間、日本と英国の両国でブランド名の
権利を守ることができます。
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思い起こせば20数年前、
ロンドンの老舗百貨店「リバティ」からの問い合わせが、
英国での商標登録申請のはじまりでした。

初めての海外からのオファーに、正直なところ有頂天になりましたが、
その興奮の中でふと「商標は大丈夫だろうか」と不安がよぎりました。
というのも、イギリス・コッツウォルズ地方には
「Bibury(バイブリー)」という村が実在し、
さらにその村の中には「Bibury Court Hotel」という
歴史あるホテルも存在しています。

果たして、この名前で商標が取れるのか……
不安を抱えながら、すぐに弁護士に相談しました。
調査の結果、取得可能という見通しが立ち、それならばと
大枚をはたいて商標登録を行いました。
海外では知的財産に対する意識が非常に高く、
保護の厳しさもあるため、
当時の私には大きな挑戦でした。
しかしそれでも、
これで堂々と英国市場に向かって進める、
そんな自信にもつながりました。

「Bibury Court」という名前は、
実は私がプライベートで英国を訪れた際、
あの美しいバイブリー村に宿泊した体験から
インスピレーションを得たものです。
村の風景、ホテルの佇まい、釣りや乗馬、ガーデニングといった
英国のカントリー文化、そのすべてに心を奪われ、
2001年にブランドを立ち上げました。
だからこそ、この名前で、
しかも英国で商標が取得できたことは、
感慨深く、そして何より光栄なことでした。
ただ一方で、「日本人の私がこの名前を取ってしまって、
よかったのだろうか?」という、
ほんの少しの後ろめたさも心のどこかにありました。

商標登録にはいくつかの分類があり、
私は「衣料」に関する権利のみを取得しました。
半年ほど経った頃、英国特許庁から連絡があり、
「Bibury Court Hotel」がその他の分類
(宿泊、飲食、観光など)で商標取得を希望しているとのこと。
「異議はありますか?」と尋ねられましたが、
当然のことながら「異議ありません」と返答しました。

恐らく、先方は日本人が先にこの名前を商標登録していた
ことに驚かれたことでしょうね。
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でも、私にとっては何の悪意もなく、
むしろ敬意と感謝の気持ちでいっぱいです。



